巨福呂坂は、神奈川県を代表する観光地である鎌倉と北鎌倉を結ぶルートに位置しています。この坂の両側には鋭く切立った崖があり、落石対策として洞門と呼ばれるシェルターにより崖崩れなどの災害から通行を守っています。
初代のシェルターの老朽化が進んだため、道路拡幅も含めたリニューアルを行う必要が生じました。この道は観光歩行者が多いため、シェルターという巨大構造物のもつ威圧的なイメージを軽減させ、少しでも親しみやすく明るく開放的な雰囲気をつくれるように配慮しました。
このシェルターには、鎌倉の北の玄関口として、印象的な土木構造物をつくることが条件とされました。 周辺地区の落ち着いた雰囲気に調和するとともに、落石防護シェルターとして安心を感じられるように重厚な印象のデザインを行いました。
北鎌倉と鎌倉を結ぶこの道には歩行者が非常に多く、訪れる人々に親しみやすい施設とするために、下部を細やかなディテールの自然石積みとし、大味な土木構造物の印象を和らげるようデザインしました。
夜間照明は、構造物の形状を活かした間接照明とした。柔らかな光が全体を包むようデザインしました。