三沢市の古牧温泉にある宿泊施設「青森屋」の敷地内には、故渋沢栄一の自宅であった旧渋沢邸が現存しています。
旧渋沢邸は、渋沢栄一が東京都江東区の深川福住町に建てた建物です。その後、東京都港区の三田(三田綱町)に移され、平成3年から現在の三沢市の古牧温泉に移築されています。 この建物は、清水建設の創始者で名工と名高い二代清水喜助で、喜助が手がけた建物としては、現存する唯一の貴重な建物です。
このような旧渋沢邸ですが、現在は十分な活用方法が見いだせない状況にあると言えます。隣接する八戸市や十和田町の観光客が加傾向にあることを考えると、旧渋沢邸を活用して、観光活性化のためにより一層の魅力をつくる必要があると三沢市では考えています。
この取り組みでは、旧渋沢邸の前庭を舞台に文化イベントを実施して、三沢市の魅力を高め、文化財としての旧渋沢邸の新たな魅力づくりを行うことを目的として行いました。
魅力づくりとしては、三沢市にゆかりの寺山修司の活動である前衛的演劇などをコンセプトした特徴を出すことや、地域の子供が参加する体験型アートワークショップなど、地域性を活かした魅力づくりを行いました。また、これらのイベントと同時に、建築物としての旧渋沢邸の魅力を周知するためのガイドツアーなどの開催などを行いました。