葉山や横須賀が、御用邸や海軍軍港を中心に発展したことに伴い、横須賀線で結ばれていた逗子では、便利さと環境の良さから、軍人や文化人の別荘地として固有の文化を発展させてきました。
逗子の皆さんは、別荘文化がつくるゆとりのある街並みや人々の暮らし方をこよなく愛し、市民が中心となって、保全活用を行うために、さまざまな活動を行ってきました。
しかし、近年になると、ゆったりとした構えの屋敷(住宅と庭)がは、その広さゆえに所有者の維持負担を増加させ、一般的な住宅地へと急速に変わりつつあります。
この調査と社会実験の目的は、私たちの大好きな、別荘文化の雰囲気を残す古民家が、どのくらい残っているかを調べ、貴重な古民家を守っていくために、所有者にどのような支援を行うことが有効かを考えるために実施しました。
古民家候補を悉皆調査しました。その結果、市内全域で305棟の古民家を確認し、カルテにまとめることができました。
歴史的景観保全地区という、逗子市でもっとも古民家が残っているエリアでは、平成21年調査で101棟あった古民家が、平成22年調査では94棟に減少していました。1年間で7棟が取り壊されました。
古民家を守るため所有者が必要とする支援として、庭木の手入れ講座や、和風の照明づくり講座などを社会実験とじて実施しました。