八重瀬町は沖縄本島の最南端に位置しています。東には世界遺産の斎場御嶽(せいふぁーうたき)があり、西にはひめゆりの塔があるため、多くの観光客が行き来します。しかし八重瀬町には観光拠点が無いため、これらの観光客はただ通り過ぎてゆくだけでした。
八重瀬は農業や漁業の盛んな町なので、道の駅をつくって特産品を買ってもらおうと考えて「南の駅やえせ」は生まれました。道の駅のような施設ですが、道の駅には認定されていません。
もともと学校だった敷地には大きなガジュマルの木があり、地域の人々や卒業生たちはこれを大切にしていました。このガジュマルは「南の駅やえせ」のシンボルとて入口で来訪者を出迎えてくれます。
また、地元の皆さんの手作りの持ち寄ってくる「朝市」も盛んだったので、大きなテントのある広場をつくり、雨の日でも開催できるようにしています。普段はフードコート的に利用できます。
亜熱帯の強い日差しを防ぐために、建物周囲に軒の深い回廊をつくり、利用者に日陰を提供しています。
道の駅の内部は吹抜けがあり、2階には体験型観光の学習のための部屋を用意してあります。内地から来る年間1万人以上の修学旅行の皆さんが、八重瀬の自然と歴史と魅力を学ぶ場所をつくりました。