公園

元町公園

横浜市中区 / 1997〜2000年
基本設計・実施設計に主任として参加

元町公園は、横浜開港当時に外国航路の船舶に飲料水を供給する水源地でした。近年その貯水槽が発見され、今も湧き水があることが確認されました。この湧き水を利用し、公園を水の広場としてリニューアルするプロジェクトに携わりました。 また、外国人墓地などが立地する山手本通りに面する公園上部では、近年整備された西洋館の前庭のリニューアルプロジェクトに携わりました。

全体平面スケッチ

元町公園を「貯水槽」「水の広場」「丘の広場」にゾーニングし、それぞれのリニューアルを行ないました。貯水槽は一般公開を行うためのデッキを取り入れ、水のゾーンは、湧き水を利用し地域の人々に個性ある水面を提供できました。
丘のゾーンは、西洋館の建ち並ぶ山手本通りに面しており、公園内に近年整備された西洋館の前景としてデザインしました。 いずれも、観光地としての景観の質を確保しつつ、地域の人々の日常利用にも配慮してデザインを行いました。

水のゾーンを特徴づけるため中央にカスケードを配置しました。公園の斜度を利用して公園の中心軸となるようシンメトリーなデザインとしました。

水の広場で遊ぶ子供たち。公園周辺は観光地であると同時に住宅地でもあります。景観に配慮しつつ子供たちの遊び場としても利用できるようデザインしました。

丘のゾーンは、西洋館の前庭と山手本通りの歩行者空間が一体となるよう配慮しました。公園と通りの境界は細やかな石積みと植栽で緩やかにデザインしました。

貯水槽はオリジナルを保ちつつ展示のための整備を行ないました。歴史的・構造的に価値のある施設であったため、断面構造などを間近で見学できるよう計画しました。